「幼年期の終わり」読んだ by アーサー・C・クラーク

幼年期の終わり アーサー・C・クラーク

さて

「幼年期の終わり」を読んだので、それについて語るとしよう。
アーサー・C・クラークによる古典SFであるが、アラフォーになった今更初めて読んだ次第。

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映画「インターステラー」を見て

自分は中高時代は相当の読書家であったと自負しているが、不幸にしてSF方面には全く興味が持てず、この領域に関しては完全な門外漢である。思い返すと、自分の読書歴の中で唯一「SF」といえるのは三島由紀夫の「美しい星」くらいだろうか。

かくいうSF初心者の自分がなぜ「幼年期の終わり」を読んだかと言えば、きっかけはクリストファー・ノーラン監督の映画「インターステラー」を観たからである。 同作について今更どうこう言うつもりもないが、簡単に纏めれば、環境変化によって食糧危機が起こり滅亡寸前の地球から移住可能な惑星を探す恒星間探査に赴く宇宙飛行士とその娘の愛の物語である。
自分はSF好きと言うよりは、ノーラン監督の映画が好きで本作を見に行ったのだが、いろんな意味で衝撃的な作品だった。観賞後に色々と調べてみたら、同作はキューブリックの「2001年宇宙の旅」へのオマージュだ、いや挑戦状だ、いやノーランはキューブリックを超えた、などと「2001年」への言及が多数。「2001年」も、もちろんその存在は知っているし、モノリスとか、HALとか、オープニングが「ツァラトゥストラ」だとか、その程度の予備知識は持っていたが、恥ずかしながら未見。


2001 A Space Odyssey Opening in 1080 HD - YouTube

そして「幼年期の終わり」

「2001年宇宙の旅」の脚本をものしたのがアーサー・C・クラークで、彼が1953年に発表した代表作が「幼年期の終わり」である。本作は、映画「インターステラー」にも影響を与えたとされており、どうにも読むべきなのではないかと思ったのだ。
1953年と言えば、米ソ冷戦で世界が緊張してた時代背景もあって、本作にもその影響がかいま見られる。
ストーリーとしては、

21世紀初頭のある日、世界中の大都市上空に突如巨大な宇宙船が出現。宇宙船に乗ってやってきた「オーバーロード」と呼ばれる存在は、決してその姿を見せなかったが、人類同士の戦争や争いを止めさせることに成功した。オーバーロードの庇護の下、人類はかつてない繁栄を享受する。
時を経て、オーバーロード来訪以前の世界を知らない世代に交代が済んだ頃、オーバーロードは人類の前にその姿を現す。それは人類にとっては衝撃的なものだったが、人々はそれをすんなりと受け入れる。しかしながら、オーバーロードが地球にやってきた真の目的は、依然として明かされないままだった。
さらに50年の時が経ち、オーバーロードの真の目的が達成される日がやって来る。それは人類にとっての「幼年期の終わり」だった・・・

というようなお話。

壮大な、哲学的な話だった。
人類にとっての進化とはなんだろうか、そんなことを考えさせられた。 もう一つ思ったのは、エヴァンゲリオンに出てくる「人類補完計画」の元ネタは、絶対「幼年期の終わり」だなってこと。

惜しむらくは、もっと早く、高校生ぐらいの時にこの本に出会っていれば、自分の人生は変わっていたかもしれないなと感じた。ただ、一方で、まぁ自分にはSFはあまり向いていないなとも思ったので、この領域はこれで終わりかも

では