書評:「自分メディア」はこう作る! by ちきりん

さて

「そんじゃーね」で有名なカリスマブロガーのちきりんさんの書籍、「『自分メディア』はこう作る!大人気ブログの超戦略的運営記」を読みましたよ。
ちきりんさんは、はてなダイアリーの超人気ブログ、「Chikirinの日記」の運営者。その素顔は謎に包まれており、講演会や対談などで人前に出る時も、似顔絵のお面を被って登場すると言う徹底ぶり。

本書の前半は、個人ブログを10年間で毎日数万アクセスがある人気ブログに育て上げたちきりんさんのブログ運営記。後半は、過去のブログ記事から選ばれたベストエントリからなる。
自分自身のブログ運営にあたり、参考になればと思い手に取った。冷静に考えると自分はこのブログをそんな大それた巨大ブログにしようと言う野望を持っているわけでもないが、いろいろと勉強になった。

読んでいただければわかるように、私はかなり意識的に、そして戦略的に自分のブログを育ててきました。

炎上マーケティング?

ちきりんさんによれば、「Chikirinの日記」が注目を集めるきっかけになったのは、伊勢神宮の式年遷宮について書いた記事だったとのこと。

私が式年遷宮について無知だったことと、伊勢神宮の資金の大きさについてやや砕けた調子で書いたことが、右のほうにいる人たちを怒らせたのです。この一件で、「思想に関わるエントリを検索されやすい時期に書くと、注目を集めるのね」と、理解しました。

これって、今で言う炎上マーケティングそのものなんじゃないかと思うのだけど、その後も意識して話題を集める記事を書き続けることによって、どんどんブログを成長させていったようだ。
ブログを炎上させるのは、おそらく簡単なことのようにも思うけど、自分にはそんな炎上耐性はないので、この戦略は取りづらいね。

ブランディング

ブログのブランディングについては、こんなことを述べられている。

「そんじゃーね」が私のブログへのリンクとして使われているのを見た時、私は「この言葉を見れば、『Chikirinの日記』だとわかる人が出てきた」ことを理解しました。そして「これを利用しない手はないよね」と考え、それ以降、ブログの結びを「そんじゃーね」に統一したのです。

ここはよくわかる気がする。自分のブログ記事も、必ず「さて」で始めて「では」で終わるようにしているけど、これはかつてmixiで盛んに日記を書いていた頃からの習慣。当時のマイミクさんたちは、「では」でこれがiGCNの書き込みであることを理解してくれていたんではないかと思う。
今自分のmixi日記を調べてみたら、「さて」で始まり「では」で終わるのは、2005年1月23日に書いた日記が最初だった。もう10年前からかと思うと感慨深いけどね。今後もこの習慣は続けていくつもり。

ネット弁慶問題

ネット上での活動期間が長くなると、「ネットで話題になっていることが、世の中でも話題になっているはず」と思いがちですが、まだまだそんなことはありません。

自分がブログを書くに当たって、意識して使わないようにしている言い回しが二つあって、それは「既に各所で話題になっていますが」というのと、「言わずと知れた」である。
「既に各所で話題になっていますが」と注意書きされたことが話題になっていることをそのブログ記事を読んで初めて知ると言うことが何度かあり、「この人は自分が見ている世界が、他者の見ている世界と同じと思っているのかなー?」てずっと思っていた。
これは、Twitterのタイムラインを考えると分かりやすいんだけど、自分が読みたい情報だけがそこに表れているのであって、他の人々とは全く違う情報を自分が見ていることに気付かないのはちょっとアレだと思う。

もう一つの、「言わずと知れた」については、「言わずと知れてるんなら、言うなよ!てか、知らなかったし!」って思っちゃうので、これも使わないように注意している。

万が一ブログがbuzzったら?

ブログの場合は、何かのきっかけで通常の何倍ものアクセスがあった場合、その翌日に何を書くかが鍵となります。なぜなら、昨日たまたま来てくれた人の一部は、今日もブログを再訪してくれる可能性が高いからです。それに備え、大きく注目された翌日こそ「昨日よりおもしろい何か」を書いておけば、再訪してくれた人に対して、一気に「このブログはおもしろい!」と印象付けられます。

炎上ではないけれど、自分のブログ記事が話題になってしまった場合、次の日にまた面白いエントリを書くことが重要とちきりんさんは述べている。こういう事態に陥ることはまず無いだろうが、万が一に備えてとっておきの面白い記事をストックしておく必要があるのだろう。まぁ面白いエントリが書けたら、普通は即アップしちゃうだろうけど。

まとめ

超人気ブログの管理人の書いた本だけあって、ブログ運営に関しての考え方は学ぶところが多かった。特にブログへのアクセス数を稼ぎたいと言う野望を持っている方にはお勧めしたい。(もっともそういう方々は既にこの本読んでるだろうな)

そんじゃーね

では