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自動車保険のはなし

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さて

予防接種の話題*1も飽きてきた頃なので、自動車保険について突然考えてみたい。

自動車保険には自賠責保険任意保険がある事はよく知られていると思う。前者は自動車損害賠償保障法により加入が義務づけられている強制保険。一方の「任意保険」は、任意とは名ばかりでほとんど全員加入しているのだろうと思っていたが、調査によれば任意保険の加入率は対人賠償は73.4%*2、搭乗者傷害保険に至っては41.7%しかないとのこと*3

この数字には正直驚かされた。4人に1人が対人賠償保険に加入していない計算になる。

反任意保険主義者の言い分

どうして任意保険に加入しない人たちがいるのだろうか?

  • 「色々と勉強して、夫婦で話しあって、任意保険に入らない事に決めました」
  • 「こんなにも小さな財布から何万も何万も金を抜き出す任意保険とやらは本当に必要なのでしょうか?」
  • 「弱い人間は事故ると死ぬ、強い人間が任意保険に加入するから効果があると思われているだけ」
  • 「任意保険=保険屋が楽して稼げるビジネス」
  • 「人間はスーツを着た権限のある保険外交員を見るとそれだけで従ってしまいます。」
  • 「任意保険は、人間心理と恐怖心を上手く活用した巧妙なビジネスなのです。」
  • 「長く保険営業を続けている保険外交員は任意保険に加入しないという人が多いそうです。」
  • 「免疫力を高めれば事故らない」

などなど色々な口実が考えられそうだが、一番大きな要因はお金がもったいないと言うところだろう。

平成26年中の交通事故死者数は4113名だったそうで、14年連続の減少、過去3番目の少なさだったとの事*4。そう考えると普通に運転していて交通事故(特に死亡事故)を起こす、あるいは巻き込まれると言うことはなかなか想像しにくい事だ。

自賠責保険と任意保険の違い

ここであらためて自賠責保険と任意保険の違いを振り返ってみたい。

自賠責保険は、交通事故の被害者に対する最低限の救済をおもな目的とする保険です。そのため、補償範囲は限定的で、事故の相手方の身体に関する損害しか補償の対象となりません。つまり、相手方の物や自分の身体・物が損害を負ったとしても、保険金は支払われないのです。

「最低限の救済」とあるように、自賠責保険の事故相手に対する補償額は

  • 傷害:120万円まで
  • 死亡:3000万円まで
  • 後遺障害:4000万円まで

と非常に限定的なものとなっている。

また、重大な人身事故を起こしてしまうと、相手方への賠償金が多額に上るケースがあり、自賠責保険の補償上限額を大きくオーバーしてしまうことも多いのが現実。

「任意保険」とは、上記のような自賠責保険ではカバーしきれない損害を補償する保険です。

賠償金が多額になる場合に備えて、任意保険には入っておきたいものだ。

交通事故賠償額高額ランキング

実際事故を起こしたときにどれくらいの賠償金がかかるのか。

ランキング形式(不謹慎な気もするが)で紹介しているサイトがあったので紹介する。

www.insweb.co.jp

1位:5億843万円、死亡。被害者:41歳男性、眼科開業医
2位:3億7829万円、後遺症。被害者:21歳男性、大学3年生
3位:3億6756万円、後遺症。被害者:33歳男性、会社員

高額賠償はいずれも億単位。非常に高額である。

詳細は割愛するが賠償額の算出法はごく簡単に言えば、事故がなければ本来被害者が得られたであろう収入(逸失利益)を元に算出される。被害者が医師・弁護士などの高額収入者や若年者だと高額になると言うところだろう。

確かにこんな金額は自賠責保険では賄いきれない。対人賠償保険は無制限にしておきたいところだ。

無保険車と事故ったら?

万が一、交通事故を起こされた相手が任意保険に無加入だった場合はどうしたらよいのか?泣き寝入りするしかないのだろうか?

そんなときのために、「人身障害補償保険」がある。

任意保険に加入していないクルマと事故を起こすと、事故によってはもっと面倒なことがいくらでも降りかかってきます。ただし加入している任意保険に車両保険と人身傷害補償保険がついてあれば、こうしたケースでもスムーズに損害補填を受けることができます。

人身傷害補償保険は、こちらに過失がなく、また保険会社が示談交渉に入れない場合でも、受けた損害(治療費の実費、休業損害、慰謝料など)を逸失利益の実損害額を根拠に保険会社が算出して、その金額を保険金額を上限に支払われる保険です(運転者だけでなく、同乗者の死傷も同様に補償される)。

任意保険に入らない人々のせいで、真面目に保険に加入している人たちが追加のコストを支払わなければならないと言うのは納得できない気がするが、自分の身を守るためには仕方のない出費と言える。

任意保険への加入は社会的責任

自動車を運転する身としては、4台に1台の車が無保険だと思うと本当に恐ろしい。無保険の車には近づきたくないし、車に同乗もしたくない。

無保険で良いやと思っている人は、おそらく「自分は絶対に事故らない」と思い込んでいるのだろう。しかし、それは社会的責任感を欠如した幼児的万能感にすぎないと思うし、そういう人々を説得して任意保険に加入させるのは根本的に不可能な気がする。

ただこれまで見てきたように、無保険者が交通事故を起こすと事故相手に対する充分な補償ができないと言うことを理解しておいて欲しいものである。

もちろん、無保険者は自分自身に対する補償もないのだけど、それは自己責任。

さいごに

母乳で交通事故は防げません。

生命は金では買えないけれども、生命を奪ってしまった場合の補償はお金で解決するよりしようがないのも事実。

万が一交通事故を起こした場合に備え、任意保険には必ず加入しましょう。

(私は保険屋の回し者ではありません)

では


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*1:この記事をあらかじめ読んでおいて頂くと、今回の記事をより深く味わえると思います

*2:ちなみに最低は沖縄県の52.9%

*3:自動車保険の加入率 - 都道府県別の任意保険加入率 | はじめて自動車保険

*4:平成26年中の交通事故死者数 - 一般財団法人 全日本交通安全協会