百番目の男

さて。

ジャック・カーリィ著「百番目の男」を読了いたしました。
 
本作の主人公はアメリカはアラバマ州モービル市警のカーソン・ライダー刑事。
ライダー刑事は大学で心理学を学んだ秀才だがちょっと短気なところがあり損をしている。
とある猟奇連続殺人事件を解決したことから、「精神病理・社会病理捜査班(PSIT)」に所属している。
 
物語は、ある日公園で頚部を鋭利な刃物で切断された男性の死体が発見されることから始まる。
やがて第二の殺人が起き、連続猟奇殺人と見たライダーが捜査に取り組んでいく。
上層部の出世レースに巻き込まれて思わぬ横槍が入ったり、淡い恋物語があったり、
様々な運命が絡まりあって物語は進んでいく。
実は主人公には誰にも言えない秘密があり、それが事件の解決の大きな糸口になるのだが。。。
 
 というお話
 
僕がこの本を読もうと思ったきっかけは、「このミステリーがすごい 2012年版」の海外部門の第6位に同作者による「ブラッド・ブラザー」がランクインしており読みたいなと思ったこと。
調べてみると、「ブラッド・ブラザー」はライダー刑事シリーズの第3作に当たるとのこと。
僕はシリーズ物を読む時は必ず順番に読むと言うのを鉄則にしている。
かつて「ダ・ヴィンチコード」が映画化されて話題になった時も、原作を読む時には律義に「天使と悪魔」を先に読んだ。
 
で、本作「百番目の男」はライダー刑事シリーズの第1作にあたるので読んだと言うわけ。
 
百番目の男」はジャック・カーリィの処女作にあたるようなのだが、処女作故の気負いか翻訳のせいか分からないのだがハードボイルドぶったセリフが空回りするシーンが多かったように思った。
また各シーンの描写が粗削りすぎてすっと頭に入ってこない面が多々あった。
 
先に触れた主人公の秘密、事件解決の糸口にしても、サイコスリラーの名作「羊達の沈黙」の陳腐な焼き直しのように思えてしまった。
残念。
 
 では
 
 
百番目の男 (文春文庫)
百番目の男 (文春文庫) ジャック カーリイ Jack Kerley

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