二流小説家

さて。

毎年年末に発行される、宝島社の「このミステリーがすごい!」の2012年度版の海外部門で第1位となったこの作品。
筆者の処女作にしていきなりの1位受賞となったことを知り、がぜん興味を抱いて購入した次第。
本の帯を見れば、
 
史上初、三冠達成!
このミステリーがすごい! 2012年版海外編
週刊文春ミステリーベスト10 2011年海外部門
ミステリが読みたい! 2012年版海外編
第1位
 
 との文字が仰々しく踊っている。
 
新書判で、天地小口が黄色く染められた「ハヤカワポケットミステリ(通称ポケミス)」、一冊1900円は高いなと思ったが新書判とは言え扱いとしては翻訳されたての新刊単行本と同じと思えば納得か。
 
 
あらすじは、
 
様々なペンネームを使ってポルノやヴァンパイア小説やSFエロティック小説やらを書きながらも文筆業だけでは食べていけず、女子高生の家庭教師をしながら糊口をしのいでいる「二流小説家」のハリー・ブロックが、死刑執行を待ちながら服役中の連続殺人鬼のダリアン・クレイから告白本の執筆を依頼される。
この本をものせば世間の注目を集めることは間違い。
しかし、刑務所を訪れたハリーに対して、ダリアンはとんでもない要求を突きつける。
しぶしぶその条件を呑んだハリーだったが、ダリアンの要求に従ううち、事件に巻き込まれてしまう。。。
 
 といったお話だ。
 
 話のプロットとしては面白く夢中になって読み耽ったが、ミステリで肝要のトリックの面では新規性はないかな。
 小説のそこここに、ハリーの様々な著作が挿入されていて、それがアクセントにはなっているが、それを抜きにしても本筋には関係がない。
 しかし、最後のオチにはちょっと驚かされた。
 
お勧めできる一品。
 
 では
 

 

 

二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) デイヴィッド・ゴードン 青木千鶴

早川書房 2011-03-10
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