スイスフラン急騰がスマートウォッチ界隈に及ぼす影響

さて

先のブログ記事で、スイスフラン急騰が高級腕時計産業に及ぼす影響について触れたが、スマートウォッチ界隈についてはどうだろうか?

Withings Activitéはスイス製

Activité

先だってブログで紹介した、スマートウォッチもといフィットネストラッカーのWithings Activitéであるが、ブランド自体はフランスなのだが、本製品に限って言えば、Swiss madeであることを売りにしている。その分価格も450ドルと高額なのだが、これが30%値上がりしてしまうと、実に585ドル、日本円にしたら単純計算で7万円。こりゃぁとてもじゃないけど高くて買えない値段になってしまう。

Withing Activité Popは原産地不祥

Activité pop in 3 colors
一方、先日のCES 2015発表されたActivitéの廉価版、Activité Popについては、スイス製ではない(原産地については、公式サイトを見ても記載がなかった)ため、149.95ドルという低価格を達成している。当然、スイスフラン急騰のあおりを食らうこともないだろうから、お手ごろ価格のまま手に入れることが出来るのではないだろうか?てか、早く国内でも入手できるように代理店さんには頑張って欲しいものだ。

Apple Watchは中国製?

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スマートウォッチ界の黒船、3月末に発売予定と噂のApple Watchはどうだろうか?Apple製品は一般に中国で生産されているが、村松太郎氏によれば、やはり中国で生産される見込みとのこと。

Apple Watchが生産されるのは中国となるだろう。その点から、生産のスケジュールを考えると、中国の旧正月を避けることから、2015年の3月末が、Apple Watchの発売タイミングになるのではないか、という予測が登場している。

Apple Watchの価格は349ドルからとのこと。スイスフラン急騰の影響は受けないだろうが、むしろ円安の影響で国内販売価格が幾らになることやら。 Apple製品の価格設定の現在のレート、いわゆるアップルレートは1ドル100円のようだけど、そのうち改定がありそうな悪寒*1があるので要注意。

スイス時計産業界はスマートウォッチをどう見ているか

一方、スイスの時計産業がスマートウォッチをどう見ているのか、こんな記事を発見した

「スイスの時計産業は危険な状態にはない。スマートウォッチはスイス時計に取って代わるのではない。互いに補い合う関係だ。消費者は活動に応じて一日の間に複数の腕時計を着け換えることに慣れている」と、スイス時計業界連盟のジャン・ダニエル・パッシュ会長は断言する。


会計事務所デロイトの行った調査によると、スイスの時計企業の経営陣の3分の2が、スマートウォッチは自社のビジネスを脅かすものではないと考えている。

どうやらスマートウォッチの隆盛についてはなんの影響もないとの構えの様子。 一方ではこんな意見も。

クールヴォワジエ教授は、スイス製の機械時計が今後もステータスシンボル、資産としての価値を保ち、さらには一部の美術品のように避難資本としての役割も果たすだろうと確信している。しかし、「スイスの時計産業の産業基盤は弱い。より高価なモデルをより少数生産するようになっているからだ。スイス時計企業から大量生産が姿を消しつつある」。


ポンさんが心配するのもまさにこの現象だ。今後10年間でスイス製時計の販売数は3000万〜1500万個減少すると予測している。「打撃を受けるのは、スウォッチグループの傘下が大半の、低価格から中価格帯のスイスブランドだろう。数百フランという同じ値段で世界とつながれる面白い腕時計が買えるというのに、単に時間を教えてくれるだけのティソやスウォッチの時計を誰が買おうと思うだろうか?」

資産価値未満の中価格帯の腕時計について、今後販売が減少してくとの予測。
この記事は2013年12月に書かれた記事だが、スイスフランが30%急騰してしまうと、時計産業の人たちもあぐらをかいてはいられないだろう。特に、ポンさんが心配している、中価格帯のブランドは今後苦戦を強いられるのではないか。
ただし、本当の意味でのラグジュアリーウォッチメーカー、30%位の値上げをものともしない富裕層を顧客にするようなメーカーは、逆に安泰なのかもしれない。

では


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*1:悪寒がしすぎて、自分はMacBook Pro Retinaを最近買った