書評:「ピルグリム<1> 名前のない男たち」

さて

最近は読書量を増やすべく努力していて、具体的には毎日寝る前の30分から1時間ほどを読書タイムに充てている。牛歩のような読書だが、「ピルグリム」3部作の第1巻、名前のない男たちを読了したのでそれについて語るとしよう。

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「ピルグリム(原題:I am pilgrim)」は元映画脚本家のテリー・ヘイズのデビュー作であり、アメリカに対するテロを企てるテロリストと、それを阻止せんとする諜報部員の対決を描いている。
全三巻からなり、

  1. 名前のない男たち
  2. ダーク・ウィンター
  3. 遠くの敵

となっている。

本作は、三部作の第1巻と言うこともあり、正直に言えば伏線を張るのと登場人物の紹介で終わってしまった感がある。

主人公は、アメリカの秘密諜報機関に所属していた辣腕のエージェントであるが、アメリカを襲った同時多発テロ(911)をきっかけに諜報員を引退した。
一方、今後主人公と対決する(ことになるであろう)悪役は<サラセン>と呼ばれるテロリストで、どうやらアメリカを相手にバイオテロを企ているようだ。

基本的にはストーリーは主人公の1人称で展開していく。1巻の2/3くらいは主人公の生い立ちと、秘密諜報部員としての活躍・引退、そして再び表舞台に引きずり出されるきっかけまでを描いている。
残りは敵対するテロリスト<サラセン>の生い立ちを描いているのだが、その中で時折主人公目線での突っ込みが入る。具体的には、「後の調査で分かったことたが、この時<サラセン>は、うんぬんかんぬん」みたいな感じで、ここはちょっと頂けない点だった。

主人公の回想ベースで物語が進行していくので、時系列が現在と過去を行ったり来たりして少し忙しい。ある意味映画的とも言えるストーリーの運びで、そこはさすが元脚本家!と言いたいところだが、最近めっきり記銘力が落ちてきた自分にはついていくのが大変だった。

第1巻の後半になって、ようやく<サラセン>のテロ計画が始動したが、いまだに主人公と<サラセン>は出会ってすらいなくて、2巻目以降の展開に期待したいし、張りに張った伏線をどう回収するのかも見物。

ちなみに、英語版Wikipediaの記事によれば、ライオンのマークでお馴染のMGMが映画化権を獲得したとのこと。映画化も楽しみです。

では