読書メモの効用
さて
自分はかつて、中学から大学にかけてくらいはかなりの読書家だったと自負している。当時おもに読み漁っていたのは、三島由紀夫、江戸川乱歩、谷崎潤一郎、久世光彦等々。
昔は記憶力が良かったのか、あるいは読書に没入していたせいか、読みながら登場人物のことが分からなくなったりしたことは決してなかったが、最近、小説を読みながら、久しぶりに登場した人物に「これ誰だっけ?」と考え込むことが増えてきた。
昔読んだ小説については、印象的なシーンをイメージとして今でも思い出すことが出来る
例えば三島由紀夫の「仮面の告白」で主人公が園子と初めて接吻するシーン。「私には全てがわかった」と自分が同性愛者であることを自覚する。
あるいは同じく三島の「金閣寺」では、雪景色の金閣寺で主人公が米軍将校に命じられるがまま、妊婦の腹を蹴りつけるシーン。
あるいは三島の「春の雪」、主人公の松枝清顕と聡子が春の雪の中、人力車で逢瀬するシーン。聡子に降りかかる雪の美しさ。
などなど(三島由紀夫ばっかりになってしまった)
一方、最近読んだ本は読み終わったあとに、その内容すら思い出せないことが増えてきた。読んでいる本の質のせいか、あるいは読書への没入が浅くなってきたのか。表層的な、ページを繰るだけの読書体験。
で、ここからが本題だが、最近は読書をしながらEvernoteでメモを取るようにし始めた。登場人物の名前と、その人物の肩書きとか人間関係とかを一言ずつ書いていくのだ。読み進めながら少しずつ追記していく。
これで、登場人物が分からなくなることがなくなったので非常に助かっている。
例えば、現在読んでいる横山秀夫の「64」の場合
三上義信 D県警察本部警務部秘書課調査官<広報官> 警視。46歳。
三上美那子 三上義信の妻、元D県警の婦警。
三上あゆみ 三上義信の娘。自殺願望あり、3ヶ月前から失踪
諏訪係長 D県警察本部警務部秘書課。機転の利く広報官。
蔵前主任 D県警察本部警務部秘書課
三雲婦警 D県警察本部警務部秘書課
・・・・
と言った感じだ。
読みながら新たな事実や関係が生じた場合は少しずつ書き足していく。
アラフォー以上の読書にはお勧めしたい。
では