「2001年宇宙の旅」観た on DVD
さて
アラフォーにして今さらながらなのだが、映画「2001年宇宙の旅」を観ました on DVD。スタンリー・キューブリック監督作品、1968年公開。
Stanley Kubrick's 2001: A Space Odyssey Trailer ...
「2001年」は実はずいぶん前にDVDを買ってあったのだが、ようやく今日時間がとれたので観たのだ。
「2001年」は映画史に残る傑作として名を馳せているが、正直自分には難解すぎたかな。ただ、キューブリックのこだわり抜いた映像美は、CG全盛時代の今観ても古びることなく、むしろ新鮮に感じた。
「インターステラー」と「幼年期の終わり」
今回敢えて「2001年」を観たきっかけは、昨年末にクリストファー・ノーラン監督の「インターステラー」を観たことに端を発する。自分はノーランファンなので、同作が公開されてからわりかしすぐに観に行ったのだった(当時はまじめにブログしていなかったので直接的な感想記事はなし)。
「インターステラー」を観たあとに、引用元の一つと考えられるアーサー・C・クラークの「幼年期の終わり」を読んだ。その時のブログ記事はこちら
「2001年」は「インターステラー」から観れば原典とも言うべき作品で「インターステラー」を語る上でも、また映画ファンを自称する上でも絶対に観ておかなくてはならない作品なワケで、ようやく時間がとれた今宵DVDを再生したのだった。
作品の発表の時系列で言えば、
1953年 「幼年期の終わり」
1968年 「2001年宇宙の旅」
2014年 「インターステラー」
なのだが、自分が見た順番は結局、
「インターステラー」>「幼年期の終わり」>「2001年宇宙の旅」
となった。
各作品の類似点
今回「2001年」を見終わった感想としては「『インターステラー』、そのまんま『2001年』じゃん!だし『2001年』はまんま『幼年期の終わりっ!』」と思った。
これら3作品に通底するテーマは「人類がより高度な知的存在に導かれて進化する」ってところだね。
「2001年」のモノリスは「幼年期の終わり」で言うところのオーバーロードに相当するし、「2001年」の後半に出てくる、主人公のボーマン船長が迷い込むロココ調の部屋は、「インターステラー」で言うところの五次元空間に相当するんだろうな。
ディスカバリー号=精子仮説
最後にボーマン船長は所謂「スターチャイルド」へと進化を遂げるのであるが、映画の最後に羊膜に包まれた胎児が大写しになるので、振り返って考えると木星探査に向かうディスカバリー号のデザインが精子をモチーフにしたとしか思えなくなってしまった。広大な宇宙空間を巨大な卵子(木星)を目指して泳いでいく精子(ディスカバリー号)のイメージ。
スターチャイルド
ディスカバリー号
HAL9000
あと、「2001年」といえばディスカバリー号を制御しているコンピュータのHAL9000が有名。IBMの一歩先をいくからHALと名付けられたという噂のあいつ。
HAL
HALは絶対にミスを犯さない完全無欠のコンピュータのはずだったのだが、途中から少しずつおかしくなり始める。HALの不調に気づいたボーマン船長と乗組員のプールはHALを機能停止させようと相談するのだがその企みを知ったHALは死の恐怖を覚え、乗組員たちを殺害し始める。
HALの暴走に気づく乗組員たち
HALがなぜおかしくなり始めたのか、劇中ではあまり説明がないので不分明だが、ボーマンがスターチャイルドに進化することへの対比として、人工知能が意志を、感情を持つことを描きたかったのかなと思った。
HALが暴走し始めるのも怖かったし、最終的にボーマンによって機能停止させられる際の、死期を悟ったHALが呟く「I'm afraid. I'm afraid」ってセリフも怖かった。
HALの制御室、インターステラーの五次元空間を想起させる
まとめ
とまぁとりとめもなく思いつくままに書いてきたけど、見終わったあとにいろいろと語りたくなってしまうのが、本作が名作とされる所以の一つなのかも知れないな。
また、時間をあけて再見してみたい。違った感想が得られるかも知れない。
では
55/100点