下戸の酒好きはハイチオールCホワイティアを飲めと言う話

さて

Yahooニュースをちらちら読んでいたら、以下のような記事を見つけました。「下戸の飲酒 胃がんになりやすい!?」という衝撃的なタイトル。

http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201504/20150416_13009.htmlwww.kahoku.co.jp

東北大大学院医学系研究科の飯島克則講師(消化器内科)らのグループは、アルコールから生じる発がん物質アセトアルデヒドが、酒に弱い人ほど高い濃度で長時間、胃の中にとどまることを実験で明らかにした。

下戸、すなわち酒に弱い人は、アセトアルデヒドを分解する酵素(ALDH2)が不活性型のため、飲酒後に胃の中のアセトアルデヒド濃度が高く保たれるという研究結果のよう。

飯島講師は「酒に弱い人は胃がんになりやすいことを自覚してほしい」と注意を促す。

自分も酒を呑むとすぐに顔が真っ赤になって、心臓もバクバク言うので、所謂下戸に分類されると思うのだけど、下戸の酒好きで結構飲んじゃう方なので心配。

注:調子に乗って無駄に記事が長くなりました。時間のない方は最後の2段落だけお読みください。

下戸かどうかを決めるALDH2遺伝子多型

アセトアルデヒドを分解する酵素であるALDH2には遺伝子多型があることが知られている。遺伝子多型とは遺伝子を構成しているDNAの配列の個体差のこと。この遺伝子多型によって、酒に強いか弱いかが遺伝的に決定されているという。

アセトアルデヒド脱水素酵素 (ALDH) は、517個のアミノ酸から構成されるたんぱく質である。このうち487番目のアミノ酸を決める塩基配列の違いにより、3つの遺伝子多型に分かれる。グアニンを2つ持っているGGタイプと、グアニンの1つがアデニンに変化したAGタイプ、2つともアデニンになったAAタイプである。

AGタイプ・AAタイプは、アセトアルデヒドの毒性の影響を受けやすい体質である。そのため、一般的にこのタイプの人は、酒に弱い人、もしくは酒を飲めない人と言う事になる。

これを分かりやすく表にするとこうなる。

遺伝子型 ALDH2の活性 酒の強弱 日本人での頻度
GG 活性型 酒に強い 56%
AG 低活性型 酒に弱い 40%
AA 不活性型 全く飲めない 4%

ちなみに自分はAGタイプにあたり(23andMeで調べた)、先のWikipediaの記事によれば、GGタイプに比べ酵素の活性は1/16しかないらしいから、酒に弱いのも納得と言うもの。

下戸の酒飲みは胃がんになりやすい

興味を持って調べてみたのだが、下戸の酒飲みが胃がんになりやすいと言うのは科学的には既知(すなわち今回の研究で明らかになったものではない)らしい。

国立が研究センターがん予防・検診研究センターの研究によると、ALDH2が低活性もしくは不活性型の人がアルコールを週に150g以上摂取すると、胃がんのリスクが2.08倍になるという。

ALHDH胃がん

*アルコール代謝関連遺伝子(アルコール・アルデヒド脱水素酵素)と飲酒量に基づく胃がん罹患についてより

週に150g言うたら、1日あたり21gちょっと、缶ビールで言ったら500mL缶1本に相当する量。自分は飲むと言っても毎日飲むわけじゃないので、まぁ大丈夫なのかな。

毎日飲むと言う人は、1日20g(お酒の1単位という)を超えないようにしましょう。

L-システイン摂取で胃内アセトアルデヒド濃度が低下

話を元の飯島先生の研究に戻すが、アルコール摂取と同時にL-システインを摂取することで、胃内のアセトアルデヒド濃度を減らす効果があったとのこと。

アルコールと一緒にアミノ酸の一種「L-システイン」を胃に入れると、アセトアルデヒド濃度は酒に強い人で67%、弱い人でも60%低下。アセトアルデヒドを無毒化する作用を確認した。

おそらくこれが今回の飯島先生の研究のキモと思われる。実際、東北大学のプレスリリースを見ると、タイトルは「胃癌のリスクを減らすサプリメント L-システインの効果は二日酔い改善だけではない」となっている。河北新報の記事のタイトル「下戸の飲酒 胃がんになりやすい!?」はややミスリーディングと言える。

下戸の酒好きはハイチオールを飲めばいいじゃない

自分も含め、下戸の酒好き、もしくは下戸であるにも関わらず仕事などで飲酒せざるを得ない方は多いと思う。胃がんにはなりたくないし、二日酔いも出来れば避けたい。じゃぁアセトアルデヒドを無毒化するために、L-システインのサプリをとれば良いという話になる。

L-システインを含むサプリメントを探してみたのだが、外国産のものが多く、信頼できそうなのはエスエス製薬が出している「ハイチオール」シリーズだった。

[asin:B003LYMLMC:detail]

[asin:B000YZNAEY:detail]

ハイチオールは上記の4種類があるようだが、L-システインの含有量に着目すると、以下の表のようになる。

L-システイン 用法
ハイチオールCホワイティア 240 mg 1日2回
ハイチオールCプラス 240 mg 1日3回
ハイチオールB 80 mg 1日2回
ハイチオールCプルミエール 240 mg 1日2回

ハイチオールBのみ、L-システインの含有量が少ない。ハイチオールCの3種類は含有量240 mgと共通しているのだが、用法がホワイティアとプルミエールは1日2回、プラスは1日3回となっている。

じゃぁ1日2回のホワイティアかプルミエールが良いという話になるのだが、両者の違いはビタミンCとビタミンB5の含有量。

ビタミンC ビタミンB5
ハイチオールCホワイティア 500 mg 30 mg
ハイチオールCプルミエール 300 mg 24 mg

ホワイティアの方が、ビタミンC,B5の含有量が多いのだ。単純に含有量が多ければよいと言うものでもないかも知れないが、ハイチオールシリーズ内では「ハイチオールCホワイティア」がお勧めと結論づけたい。

ちなみに、ハイチオールにはドリンク剤もあるが、こちらにはL-システインは含まれていないい模様。

[asin:B002IIELOI:detail]

まとめ

長くなってきたのでまとめると、

  • 下戸の人は飲酒により胃内のアセトアルデヒド濃度が高まり胃がんのリスクが上がる
  • 胃内のアセトアルデヒド濃度を下げるために、L-システインのサプリメントを一緒に摂ると良い
  • L-システインのサプリメントとしては、ハイチオールCホワイティアがお勧め

下戸の酒好きとしては、以前から飲み会の前にはヘパリーゼを飲んだりしていたのだが、これからはハイチオールCホワイティアを飲むことにしたい。

では

参考資料

東北大学によるプレスリリース(PDF)

Effects of ALDH2 Genotype, PPI Treatment and L-Cysteine on Carcinogenic Acetaldehyde in Gastric Juice and Saliva after Intragastric Alcohol Administration
PLoS One. 2015 Apr 1;10(4):e0120397.

Genetic polymorphisms of ADH1B, ADH1C and ALDH2, alcohol consumption, and the risk of gastric cancer: the Japan Public Health Center-based prospective study
Carcinogenesis (2015) 36 (2): 223-231