映画「クリード チャンプを継ぐ男」観に行ってきた
クリード観てきた。面白かったけど、期待したほどではなかったな。
さて
映画「クリード チャンプを継ぐ男」を劇場で観てきたので、それについて語るとしよう。
監督:ライアン・クーグラー、出演:シルヴェスター・スタローン、 マイケル・B・ジョーダン、テッサ・トンプソン、アンソニー・ベリューなど。
あらすじは
かつてロッキー・バルボアと競い合い、試合中に亡くなったボクシングヘビー級のチャンピオン、アポロ・クリードには愛人に産ませた息子アドニスがいた。アポロの死後まもなく母にも先立たれたアドニスはグループホームで喧嘩に明け暮れる日々を送っていたが、ある日訪れたアポロ夫人に引き取られた。
成人したアドニスは仕事も順調で出世も果たしたが、ボクシングへの思いが断ちきれず、仕事を辞めてロッキーを訪ねてフィラデルフィアへ引っ越してしまう。
自分をトレーニングして欲しいとロッキーに懇願するアドニス。躊躇するロッキーだったがやがてアドニスの熱意にほだされ、コーチを引き受けることになる。
というお話だ。
最初にひとことで結論を書いておくと、
何度もイキそうになったけど、結局最後までイケなかった。
でした。ハイ(表現がお下劣ですみません)。
ロッキー7にあらず
本作は「ロッキー」シリーズのナンバリングで行くと第7作に相当するのだけど、「ロッキー7」と言うよりは新生「クリード」シリーズの第1作と考えたほうがよいと思う。
そういう意味では、「スター・ウォーズ フォースの覚醒」がエピソード7でありながらも新三部作の第1作であるのと重なるのだけど、「フォースの覚醒」が過去作のストーリーを多くの部分で踏襲してしまったのと同じように、本作も「ロッキー」を踏襲するシーンが多々あったように思う。
現チャンピオンがある事件から対戦相手がいなくなってしまい、話題作りのために若手のボクサーとのマッチメイクをするところは「ロッキー」の丸写しじゃないか。
偉大な父を持つ苦悩
「ロッキー」では、うだつの上がらないボクサーがそれでも夢を追い求め、力の限りを尽くしその結果として観衆の心を惹きつけスターダムにのし上がる姿を描いている。それはそのままスタローン自身の生き様の投影でもあるのだが。
「クリード」の主人公アドニスは、アポロ未亡人に引き取られ大豪邸でなに不自由ない暮らしを送っているのだが、自分が産まれる前にこの世を去った父アポロ・クリードの幻影を追い求め、メキシコの闇ボクシングに出場しては自身の力を試している。
YouTubeで「アポロ対ロッキー」の試合動画を見ながら、思わず身体が動き出して大スクリーンに投影された父の姿を相手にシャドウボクシングをするシーン。本作最初のお涙頂戴シーンである。
15戦全勝の戦歴を引っさげ自信満々のアドニスであるが、すべて自己流ボクシングであるため正式なトレーナーの元でトレーニングをしたいと考えている。しかしチャンピオンの息子を引き受けてくれるトレーナーがおらず最終的にロッキーの元を訪れるのだ。
擬似親子となる二人
アドニスはロッキーを"unc(伯父)"と呼ぶ。ロッキーにも息子はいるが、チャンピオンの息子としてフィラデルフィアで生きていくことに耐えられず、カナダに移住してしまっている(息子との確執については「ロッキー・ザ・ファイナル」で詳しく描かれている)。
息子にボクシングを教えようとしたが「合わなかった」と語るロッキー。そこに元盟友の息子がやってきてボクシングを教えて欲しいと乞うのだ。二人の間にできた絆はトレーナーとボクサーというよりは擬似親子の関係性に近い。
偉大なる父の息子であることを受け入れる
アポロ・クリードの息子と見られることを嫌うアドニスは敢えて偽名で最初のリングに上がるのだが、その試合を劇的な勝利で飾るとマスコミは「アポロの息子」として大々的に報道してしまう。
そこには「アドニス」という1人の男に対する評価ではなく、「アポロの息子」という話題性しか見出されない。彼にとっては堪え難い状況だが、この話題性に目をつけられて、イギリスのヘビー級チャンピオンであるリッキー・コンランとのマッチメイクが為されることになる。
ところでこの対戦相手のチャンピオンを演じたアンソニー・ベリューは現職のプロボクサーで クルーザー級のチャンピオンとのこと。 イギリスの田舎町にいそうな不良ッぽい雰囲気(映画「狼たちの処刑台」に出てきそうな)をよく出していて、俳優さんだと思っていたので意外だった。
マッチメイクの条件は、アドニス・「クリード」としてリングに上がること。躊躇するアドニスだったが逡巡の末要求を受け入れることに。そして試合当日、母(アポロ未亡人)から贈られた「クリード」の文字の入った父とお揃いの星条旗柄のパンツを穿いてアドニスはリングに上がる。
"Creed won the night."
この試合シーンも、「ロッキー」の投影になっている。チャンピオン絶対有利と見られた試合だが、挑戦者の果敢な攻めと倒されても倒されても顔を腫らして立ち上がる姿に観客は魅了されていくのだ。
最終ラウンド。映画「ロッキー」でもここぞと言う場面で流れたあのテーマ曲が本作でも流れるのだが、それは一瞬で終わってしまい自分は「イキそうだったのにイケなかった」。
さいごに
自分は「ロッキー7」を期待してこの映画を観に行ってしまったので結局最後までイケなかったのだと思う。「クリード1」と思って見れば、本作は傑作とまでは言わないけど良作であることは間違いない。
ただ、「ロッキー1」ではアポロ・クリードという魅力的なライバルを登場させたのに、本作ではアポロに相当する良きライバルが不在のまま映画が終わってしまった。どうやって第2作に繋げるのか期待している(作るんでしょ?)。
70/100点
では
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