荒木町まさ吉のおもひで
さて
先日たまさかHagex (id:hagex)さんのこちらのエントリを読んだのである。
Hagexさんが選ぶガロ系漫画10作を紹介したエントリだが、その中のひとつ、東陽片岡作の「やらかい漫画」の表紙写真に自分の目は釘付けとなった。
このイラストの原画を、自分はどこかで見た事があるような気がしたのだ。記憶を辿っていくと、ある地点に行き着いた。
青春こじらせ時代に読んでいて感銘を受けたガロ系漫画ベスト10 - Hagex-day info東陽片岡の漫画の表紙イラストが、昔よく行ってた荒木町のまさ吉に飾ってあった気がする。
2017/02/01 11:12
荒木町にかつてあった居酒屋の「まさ吉」にこの原画イラストが確かに飾られていた。
壁に飾られていた東陽片岡のイラスト(手前の頭は自分)
昔の写真を引っ張り出してきて見返しているうちに、色々なことが思い出されて懐かしくなってきたので、今日は今は亡き荒木町まさ吉のおもひでを語ろうと思う。
荒木町とは
荒木町は東京都新宿区、駅で言えば丸ノ内線の四谷三丁目駅の東北側、新宿通りと外苑東通りに挟まれた三角州のような形状のエリアである。
かつて花街として栄えた荒木町界隈には、狭い路地を埋め尽くすように各種飲食店が軒を連ねている。元花街と言う歴史を省みれば神楽坂に街の雰囲気が似ていると言えないこともないが、神楽坂が今や若者にも人気のお洒落エリアとなっているのに比べれば、荒木町は昔も今もオヤヂたちの憩いの場として愛されていると言えるのではないだろうか。そこがまた魅力なのだが。
まだ荒木町に足を踏み入れたことがないと言う方には、まずは飲み屋じゃないけど鈴新でとんかつを食べることをお勧めしたい。店主の似顔絵の看板が目印。店主は荒木町の街並み保全に並々ならぬ情熱を注いでいる方です。
あ、あと荒木町にはがんこラーメンの総本家もあるよ。
四谷三丁目駅からまさ吉へ
お店の30周年記念に客から贈られた、と聞いた
閑話休題。
四谷三丁目駅を降りて新宿通りを四ツ谷駅方面へ。杉大門通りへ入りしばらく行くと右手にペットフードの店があり、その横の下り坂の路地を足下のトマソン的な車止めの石を注意深く避けながら下っていく。左手に老舗バーのよつやこくているを見ながら次の角を左に曲がってすぐのところに「まさ吉」はあった。
まさ吉のおもひで
店内の様子、カウンタの中はバイトのお姉さん
まさ吉を初めて訪れたのがいつのことだったが、もうはっきりとは思い出せないが、同店を行きつけにしていた先輩女子社員に連れて行かれたのがきっかけだったと思う。当時四谷三丁目、というか今はすっかり聖地になってしまった須賀神社の至近に住んでいた自分は時折店に呼び出されては酒に付き合わされていたのだ。
もつ鍋が名物で、最後にちゃんぽん麺を入れて食べるのがお約束だった。
よく行く仲間の皆は焼酎を飲んでいたように思うが、自分は焼酎がダメなのでひたすらビールを飲んでいたな。
納豆玉子焼が好きでよく食べていた
店の奥に和式トイレがあったんだけど、貯水タンクがなぜか頭上にあってそこから伸びる鎖を引いて水を流すんだけど、一度流すと2回目がなかなか流せないので注意書きの紙が貼ってあったのを思い出したり。
流しの新太郎さん
流しの新太郎さん
まさ吉で飲む時の一番の楽しみは、実は流しの新太郎さんに会うことだった。新太郎さんは荒木町を拠点に活躍する流しのギタリストで、今も現役で活躍中のようだ。今は若い女性の方とコンビになっているようだけど、当時は1人で流されていた(この言い回し正しい?)。
ギターと唄本を手にふらっと現れ、客のリクエストに応じて3曲1000円(当時)で演奏をしてくれていた。自分はいつも新太郎さんのギターに合わせて自分が歌っちゃうんだけど、「うまいねぇ、うまいねぇ」と客を乗せるのが上手だったな。
若き自衛官と明かした熱い一夜のおもひで
こじんまりとした店だったから、他の客となんとなく仲良くなることがあった。お店が閉店間近というある日に、いつもの仲間で呑みに行ったときに、たまさか来ていた自衛官と名乗る若い二人組の男客と一緒に飲む流れになった。
楽しくて飲んでいるうちに大分遅くなってしまった。聞くと自衛官のうちの1人は寮に住んでいて門限を過ぎてしまったと言う。今さら寮に戻れない困ったと言う自衛官を成行で自分の家に泊めることになった。
初めて会う男を家に連れ込むなんてもちろん初めての経験だった。もし相手が○○で、○○の貞操を奪われたらどうしよう???と不安に駆られながら眠れない一夜を過ごした。結局何も起きなかったが。
翌朝、当時処分に困っていた秘蔵のエ□DVDコレクションを大量に彼にあげた。メチャクチャ喜んでいた。今はきっと偉い自衛官になっていることだろう(と期待したい)。
さいごに
まさ吉はもうないけれど、跡地はおかげさまという居酒屋が居抜きで入っているようだ。
荒木町は良いところだから是非一度呑みに行ってみて下さい。
では
新宿三丁目の思ひ出:どん底からル・パランへ - Noblesse Oblige 2nd
天国にいちばん近いショットバーで天使の取り分を堪能す - Noblesse Oblige 2nd
ダークサイドヨコハマはしご酒ツアー:長者町〜野毛 - Noblesse Oblige 2nd