映画「新幹線大爆破」観た@Amazonプライム

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さて

映画「新幹線大爆破」をAmazonプライムで観たのでそのことについて語るとしよう。

日本公開:1975年
監督:佐藤純弥
出演:高倉健、宇津井健、千葉真一、竜雷太、小林稔侍、志村喬、丹波哲郎、北大路欣也、田中邦衛など

あらすじ

本作のあらすじは

東京発博多行きの新幹線ひかり109号に爆弾を仕掛けたという脅迫電話が国鉄にかかってくる。新幹線の時速が80kmを下回ると爆発する仕掛けだという。当時頻発していたいたずらかと思われたが、同様の爆弾を北海道の貨物列車に仕掛けたと犯人。実際に貨物列車が爆発したことから一気に緊迫感が増す。博多到着までの間に犯人を逮捕できるのか?タイムリミットギリギリの捜査が始まる、、、

というお話だ。

映画「スピード」の元ネタとされている作品

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上記のあらすじを見て分かる通り、本作はキアヌ・リーブス主演の映画「スピード」の元ネタになったという説のある映画だ(と言いつつ自分は実は恥ずかしながら「スピード」は見たことないのだが)。

Wikipedia等の記事を読むと、「スピード」の脚本家は「新幹線大爆破」の影響は否定していて、むしろ「暴走機関車」に着想を得たとしているようだけども、実際に本作を観てみれば、「スピード」への影響は明らかだと思う。

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豪華俳優陣の競演に目を奪われる

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1975年というと自分が生まれる前に公開された本作だが、当時の日本映画界を代表する豪華俳優陣が多数出演していることに驚かされる。

主演が高倉健だから、てっきり新幹線の運転手役か、あるいは犯人逮捕に尽力する刑事の役だろうと思っていたら、実は高倉健が犯人役だった。これは想定外のキャスティングだったけど、結果的には良かったように思える。

もう一人の主要人物である新幹線の運転指令室長を演じているのが宇津井健。冷静沈着で正義感に満ちたキャラクターで、宇津井健ならではといった役どころだった。

それ以外にも国鉄総裁を志村喬が演じていたり、刑事部長を丹波哲郎が演じていたり、あるいは空港のグランドホステス役で多岐川裕美がちらっと出演していたり(めちゃくちゃ美人だ)オールスターキャストぶりがハンパない。 さすがに田中邦衛が出てきたときは笑ってしまったけども

スリリングなストーリー展開

正直そこまで過度に期待して見始めたわけでもなかったのだけども、見始めたらばめっぽう面白くて夢中になっていた。

新幹線が減速したら爆発するっていうアイディアがまず面白いし、それによって生み出されるタイムリミットと、それを少しでも延長しようとして制限速度ギリギリまで減速して新幹線を走らせようとする緊迫感。

身代金の受け渡しにまつわるシークエンスもスリリングだったし、あの手この手で爆弾の設置場所を探そうとする警察と国鉄の奮闘ぶりも面白かった。

ハリウッドでのパニック映画の大流行(「エアポート'75」「サブウェイ・パニック」「タワーリング・インフェルノ」など)に倣って日本でも、ということで本作は製作されたようだが、新幹線車内のパニック描写も当時の世相が伺い知れて面白かった。パニック映画にお約束の、なぜかその場に居合わせて産気づく妊婦というキャラも登場するし。

主演を高倉健にしたが故の長尺?

本作は上映時間2時間32分とかなりの長尺なのだが、そのうち15分くらいが 高倉健を筆頭とする犯行グループの「馴れ初め」の描写に当てられている。犯人に高倉健を配役したところから、「犯罪者だけど実は人間味のある人物で、止むに止まれぬ事情からテロリストにならざるを得なかった」というふうに描くよりなかったのだろうと思う。自分はこの部分がちょっと冗長に感じられたし、実際海外公開バージョンではこういう描写はすべてカットされているらしい。

映画「ヒート」への影響?

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本作が「スピード」に影響を与えたであろうことはすでに触れたけど、本作の最後のシーンは自分も大好きな映画、マイケル・マン監督の「ヒート」に影響を及ぼしているんじゃないかと思う、というか最後のシークエンスの描写が完全にかぶっている。

具体的には実際に観て欲しいところだけども。「新幹線大爆破」も「ヒート」も何れ劣らぬ傑作なので一見の価値はあり。

さいごに

海外映画にも影響を及ぼした、日本映画の隠された傑作だと思う。ぜひ一度ご覧ください。

90/100点

では

P.S. 宇津井健が必死に爆破を食い止めた新幹線を無人爆弾にしてしまった庵野秀明監督はやっぱすげーや。