映画「ジャズ大名」観た on Amazonプライムビデオ

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さて

映画「ジャズ大名」をAmazonプライムで観たのでそのことについて語るとしよう。

日本公開:1986年
監督:岡本喜八
原作:筒井康隆
出演:古谷一行、財津一郎、神崎愛など
上映時間:84分

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あらすじ

本作のあらすじは

南北戦争が終り、解放された黒人奴隷のジョーは、弟サム、従兄ルイ、叔父ボブの3人に再会した。彼らはニューオリンズから船に乗り、故郷のアフリカへ帰るため楽隊でもやって船賃を稼ごうと、ジョーが中心になって演奏を始めた。ボブのクラリネット、ルイのコルネット、サムの太鼓、ジョーのトロンボーンと、繰り返し演奏するうち、曲はジャズらしくなり、4人は夢中になって来た。

というお話だ。

意外な掘り出し物

ここ4週余りの間、Amazonプライムの30日間お試しというのをやっていて、その間に出来る限り多く、Netflixでは観られない作品を見ようと躍起になって映画を観まくっていた。

そんな中で本作を見たきっかけというのは、単に上映時間が84分と短くお手頃だったことと、「ジャズ大名」という違和感しかない題名に興味を覚えたからだ。

アメリカから黒人のジャズミュージシャンが幕末の日本に漂着するという荒唐無稽なコメディ作品で、原作はなんと筒井康隆らしい。

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実は静岡県が舞台

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By Mocchy, パブリック・ドメイン, Link

古谷一行が演ずる大名は、駿河の庵原藩の大名という設定だが、いまの静岡市清水区庵原町というあたりに相当するのだろうと思う。劇中ではちょうど静岡市の薩埵峠からの富士山の眺望を収めたシーンもあった。

ストーリーはあってないようなもの

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本作においてはストーリーはあってないようなもの、というかストーリーはもちろん展開していくのであるが、真面目に考えてしまうとついていけない。荒唐無稽なファンタジーとして楽しむのが良いと思う。

前半部分の黒人俳優たちの英語のセリフに訛り言葉の日本語吹き替えがかぶさるシーンがコントぽくて楽しい。

古谷一行が演ずる大名は大の音楽好きで、始終上手くもないひちりきを奏でては周囲から迷惑がられている(ジャイアンか!)。優柔不断で政には興味がないが、異国から流れ着いた黒人たちがどうやら楽器を使うらしいと知ると俄然好奇心を刺激されて、家老の制止も聞かずに黒人たちと交流、最後は20分以上にも及ぶジャズセッションを行うのだった。

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この最後のジャズセッションがやはり最大の見どころで、城内のあらゆる人々が地下の座敷牢に集結して琴を奏でるものあり、太鼓を叩くものあり、あるいは桶を叩いたり、小型のピアノを弾く山下洋輔が現れたり、 エレキギターを弾くミッキー・カーチスに、しまいにはチャルメラを吹きながら屋台を引くタモリ*1まで現れる始末。そこにええじゃないか踊りの大衆がなだれ込んできたりとしっちゃかめっちゃかなのだが不思議と多幸感のあるセッションになっている。

さいごに

カルト的な作品。疲れた時などに、なにも考えずに見るのが良いと思う。

85/100点

では

*1:ちなみにタモさんは早稲田のモダンジャズ研究会の出身