意外と多い男性不妊 男も不妊症クリニックをさっさと受診すべき

さて

今日はこのニュースを取り上げたい。

www.nikkei.com

日経新聞の報道。

厚生労働省は男性の不妊治療にも助成金を出すことを検討する。精子が少ないなどの理由で自然に子どもができにくい男性が治療を受ける際に費用の一部を助成する。女性向けの不妊治療費の助成も1回目の金額を増やす。安倍晋三政権が掲げる「希望出生率1.8」の実現に向け、子どもを産みたい人が産みやすくなるように支援する。
男性の不妊治療を助成 厚労省検討、年度内にも: 日本経済新聞

少子化対策の一環として、男性不妊症に対しても治療助成金を出すよと言う話で素晴らしい施策だと思う。

不妊症とは

不妊症は、従来「男女が妊娠を希望し2年間、避妊することなく性交を続けているのに妊娠しない場合」と定義されていたが、実は今年の6月に定義が変更された。

具体的には期間の短縮がなされ、新たに

「男女が妊娠を希望し1年間、避妊することなく性交を続けているのに妊娠しない場合」

とされた*1

欧米やWHOの定義に倣った変更なのだが、要は1年頑張って無理だったら早めに不妊治療を始めましょうということ。

意外と多い男性不妊

不妊症は女性の問題と思っている人は今でも意外と多いのじゃないかと思う。これは完全に間違った認識なので直した方が良い。

WHOの集計によれば不妊症の原因は、

男性のみ:24%
女性のみ:41%
男女とも:24%
原因不明:11%

と報告されている*2

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合計すればほぼ半数(48%)のカップルで男性不妊があることになる。

男性不妊は男の沽券に関わる?

男性不妊は要するに精子の数が少なかったり奇形だったり運動率が悪かったりと、精液の質が悪いと言うことなのだが(射精障害とかもあるけど)、まぁ確かにそう言われていい気のする男はいないだろう。

「男の沽券に関わる」問題であることには同意するが、沽券にこだわるあまり不妊を女性側だけの問題としてしまっている例が多いことは発言小町では頻出の話題。

夫や義実家から「子供ができないのはオマエのせいだ」と散々言われたけど、実は男性不妊が原因だと分かって義両親を見返してやった。

なんてのはもはやテンプレ的展開になっている。

ちんけなプライドを守るために女性を責める男はカッコワルイよ。

男もさっさと不妊症クリニックを受診すべき

不妊症の治療はどうしても女性側の負担が多い。これは通常妊娠であっても同様だけど、不妊症治療は特に女性の負荷が圧倒的に多くなる。これは肉体的にも精神的にもね。

不妊治療は徐々にステップアップしていくけど、治療の第一段階はおそらく基礎体温表をつけて排卵サイクルを確認したうえでのタイミング法になるはず。しかし、男性不妊がある場合はこれをいくらやっても時間の無駄。

タイミング法で受胎しないから、じゃぁ精液検査をしてみましょうと言って初めて男性不妊が分かるケースも多いのではないか。

だったら、無駄な時間を使わないよう最初から男性も一緒に不妊症クリニックを受診して、検査を受けるべきだと思う。

くだらないプライドは棄てよう。

時間もお金も有限だからさ。

さいごに

「仕事で忙しい」とか色々と理由をつけて、不妊症クリニックへの受診に付き添わない夫も多いのじゃないかと想像する。自分が不能(infertile)であることを認めたくないと言う防衛機制が働くのだろう。

多くの男性にとって認めたくないことだとは思うが、愛する家族を守るためにも早期の男性不妊症検査をお勧めしたい。

では