映画化原作 清水玲子「秘密 -THE TOP SECRET-」読んだ

さて

8月6日に公開予定の映画「秘密 -THE TOP SECRET-」の原作となった清水玲子作の同名漫画全12巻を読んだのでその感想など。

himitsu-movie.jp

映画のほうは「るろうに剣心」シリーズの大友啓史監督、主演に生田斗真と岡田将生ということでこちらも期待大。絶対観に行きたいところだけど、まずは「シン・ゴジラ」が先かな(爆)

あらすじ

時は西暦2060年、屍者の脳をMRIで分析することで脳の持ち主が生前に見た視覚情報を再現する技術が確立され、殺人事件の捜査のために利用され始めていた。MRIによる犯罪捜査に専従する科学警察研究所法医第九研究室、通称第九を率いるのは天才的な頭脳と美貌の持ち主である薪剛。
第九の捜査員達は殺人事件の被害者達が死の直前、あるいはそれ以前に見たものを脳MRIで見ることで真犯人を特定する。この捜査手法は屍者のプライバシーに踏み込む手法として批判を集めるものの、その圧倒的な実績から有用な技術として評価されつつあった。
第九ではかつて、28人連続殺人事件の容疑者で自殺をした貝沼清孝の脳MRI画像を見た捜査員が発狂、あるいは死亡すると言う事件があった。薪はこの事件で親友であり部下の鈴木を失うと言うトラウマを負ったが、自身は正気を保ち続けていた。
新人の青木一行が第九に配属され、少年たちが連続して自殺すると言う猟奇事件の捜査を開始する。少年たちにある共通点があることが分かり、捜査は思わぬ方向へ進展していく・・・

というお話だ。

ここで紹介しているのは1巻の触りの部分くらいまでのお話で、薪や青木らの第九メンバーが様々な事件を脳MRIを使って解決していくと言うストーリーになっている。

視覚情報をMRIで再現する技術

原作漫画が連載されていたのは1999年〜2012年頃。当時はそこまで技術が発達していたかどうかは知らないが、2013年にはfMRIを用いて被験者が目で見ている画像を再現できると言う研究がなされている。

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こちらの技術は飽くまで生きている脳が、その時点で観ている画像を再現すると言うものだが、漫画「秘密」では屍者の脳を取りだして電気刺激を加えることで最大5年前までの視覚情報を観ることができる、と言う設定になっている。

屍者が生前に見た画像を再現できると言う発想がまず実に面白い。この技術があるが故に、様々な悲劇が引き起こされていく。たとえば主人公の薪剛は、死後に自分の脳が見られるのを避けるために、常に防弾チョッキを身に付けている。自分を殺すためには脳を破壊するしかないようにするためだ。

猟奇的な場面は多々あり

原作に登場する事件はいずれも猟奇的殺人事件ばかりで、そう言うのが苦手な人はちょっと辛いかも知れない。臓器や死体のやたらリアルな絵が何度も登場してくる。

死体の絵を描くに当たって原作者の清水玲子氏が参考資料としているのはフィレンツェの自然史博物館(ラ・スペーコラ)に収蔵されている人体解剖学蝋人形の写真集。個人的に同所を訪れたことがあり同じ写真集を持っているけど、漫画になってもやはりグロいものはグロいね。

BL要素も多少あり

ストーリーは猟奇的殺人の捜査のみならず、登場人物達の愛憎も含めたラブストーリーの要素もある。なんせ主人公の薪は女とも見間違えられるほどの美貌と言う設定で、もう一人の主人公である青木は部下と上司と言う関係を超えた想いを薪に対して抱いている様子が読み取れる。

映画と原作の関係

映画の公式ホームページで紹介されているストーリーを読むと、1巻に収蔵の「Case.2 28人連続殺人事件・貝沼清孝」と2巻の「Case.4 露口絹子」を扱っている模様。映画と原作は切り離して考えるべきだと思っているけど、原作漫画にはそれ以上の事件が多々描かれているので、映画を観た方にも全12巻を読むことをお勧めしたい。

さいごに

映画を観たら、またそちらの感想もアップしようと思います。

では