歯医者はもっとも安定した職なのか

さて

ブログポータルのBLOGOSで紹介されていたこちらの記事。

米国で就職を希望する方必見!もっとも安定した職とは? | My Big Apple NY | My Big Apple NY

U.S.ニュース/ワールド・レポートが米労働省のデータを元に「2015年版:最良の仕事100」を調査して、その第1位に歯科医が輝いたとのこと*1

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歯医者がトップに立った理由は、4つ。
1)0.4%と低い失業率
2)ヘルスケア関連の職種にしては、規則性のある労働時間
3)年収の中央値は14万6340ドル(約1730万円)、時間当たり賃金の中央値は72.74ドル(約8620円) 4)求人件数は、2012年から2022年に16%増加(2万3300件)する見通し*2

ちなみに2位以下は

2位 ナース・プラクティショナー
3位 ソフトウェア・デベロッパー
4位 医者
5位 歯科衛生士*3

と、医療系職種が上位を占める結果となっている。
2位のナース・プラクティショナーの仕事はTVドラマのERなどではお馴染だけど、日本ではまだ導入されていない制度。

ただ、個人的に何と言っても驚いたのは、歯科医がアメリカでは将来性が有望な職種と見なされていると言う点。

一方その頃日本では

日本では、歯科医と言うと開業医のイメージが強く、実際に一般病院に勤務している歯科医よりは開業している歯科医の方が多いと思うのだけど、その件数は実はコンビニエンスストアより多いのである。

現在、全国統計でコンビニエンスストア店舗数より歯科医院数が多く(コンビニ数の1.6倍、2011年)、 収益悪化の対策として日曜診療や深夜診療等を行う歯科医院が増加している。*4

実際、歯科医師の人数はこの40年で激増している。

歯科医激増の図表

1970年と比べて約3倍、1980年と比べても約2倍になっていることが分かります。1970年というと大昔のようですが、定年制のない免許ですので、現在でも現役可能な70歳の高齢医師が免許を取得した頃です。*5

日本全国で虫歯の患者が激増しているわけでもないだろうから、需要が一定なのに供給が増えれば値崩れを起こすのは当然で、実際歯科医師の平均年収は減衰の一途をたどっているようだ。

歯科医年収減衰のグラフ

高い学費を払って6年間(+α)勉強して、せっかく歯医者になったのに高年収も望めず、廃業の恐怖に脅えながら仕事をしているってのが、日本の歯科医の現状だと思う。*6

歯科医供給過剰の元凶

歯科医になるためには、歯科大学を卒業して、医師国家試験に合格しなければならない。国内で歯学部を擁する大学は、2010年現在で、国立大学11校、公立大学1校、私立大学17校となっている。*7

医学部が全国に80校、定員総数が約9000人であるのに対して、歯学部の定員総数が約2500人*8であり、明らかな供給過剰。
大学ごとの定員数をみると、国公立の歯学部が軒並み50人/学年程度であるのに対し、私立だと120名から多いところで160名の定員と言う大学もある。
そんな大人数に一定水準の歯学教育を施すことが出来るのか正直疑問。実際に、医師国家試験だと合格率は軒並み90%超だが、歯科医師国家試験の合格率は、

最低修業年限(6年)での国家試験合格率は、2013年度では徳島大学(92.5%)から松本歯科大(8.5%)まで各大学でかなりの差があり、問題点とされている。

とのこと。
歯科大学に6年間(+α)通って、結局国家試験に合格できないままだと、本人も辛いだろうし、医療経済的に見ても、大学への補助金等々が無駄になってしまうと思う。

一方その頃医学部では

一方で、医師について言えば近年「医師不足」が叫ばれており、その対策として医学部新設の動きが出てきている*9

ところが実際には、医師の数は減少しているどころか増えているのだ。

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平成24年版厚生労働白書 資料編: 保健医療より

問題は医師の絶対数の不足ではなく、「医師の偏在」にある。偏在の示すところは、診療科の偏在と都心部への偏在の2つの意味。前者について言えば、外科や産科*10等、激務で、かつ訴訟リスクを内包するような診療科が敬遠され、それらの科で医師数が減少しているのである。
この偏在問題を放置したままに医師数を増やすと言う愚策を弄することによって、今後人口減少社会に突入する日本で医師が歯科医師と同じ道を辿るであろうことは自明。政治的解決が必要な喫緊の課題だと思う。

まとめ

医者も歯医者も今後負け組になりうるので、賢明な若者たちはコンピュータの勉強して「ソフトウェア・デベロッパー」になったらいいと思う。

尻つぼみの論考でスマソ

では


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