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Noblesse Oblige 2nd by iGCN

湘南生まれ湘南育ちだけどサーファーではありません。しぞーかじん歴4年。最近アラがとれたアラフォーのおっさんです。サザンオールスターズと加山雄三が好きです。でも横山剣さんの方がもっと好きです。

電子辞書を使うのはどこでもドアで旅行に行くようなもの

さて

昨日はてブで話題になっていたこちらのネタについて、アラフォーの老害おじさんがひとりごつことにしよう。

「紙の辞書はもう死にました」 - Togetterまとめ 「紙の辞書はもう死にました」 - Togetterまとめ

語彙・辞書研究会 第50回記念シンポジウム「辞書の未来」という催しの参加者のツイートをまとめたTogetterで、こちらのツイートが全てを語っている。

電子辞書に押されて紙の辞書には未来がないと言うお話。はてブでは喧々諤々のコメント合戦で賛否両論が渦巻いている。自分は紙の辞書に愛着がある派なので、以下のようにコメントした。

「紙の辞書はもう死にました」 - Togetterまとめ

電子辞書では目的としていた以外の語との偶然の出会いが起こりえない。そんなのツマラン人生だと思わないか?

2016/11/13 16:52

新たな語との出逢い

紙の辞書の良いところ、それは予期せぬ語との出逢いだと自分は思っている。ある語の意味が分からない時に人は辞書を引く。電子辞書の場合は一発でその語に到達するから効率は良いけど、それ以外の語は表示されないから目的の語以外と出会うことはない。

紙の辞書であれば、目的の語の周囲の語が自然に目に入るだろうし、あるいは頁を繰るうちに別の頁に乗っていた語が飛び込んでくるかもしれない。そう言った予期せぬ語との出逢いによって語彙力が増えると思うし、それは人生を豊にしてくれる気がする。もう一つ言えば、暇な時に紙の辞書をなんとなくめくると言うことはあるかもしれないけど、電子辞書は暇な時にぱらぱらと見ることはできない。効率性を重視した結果、余暇のお供になることはできない。

電子辞書はどこでもドア

電子辞書を使うのはどこでもドアで旅行に行くようなものだと思う。効率性を重視すれば目的地に最短経路で辿り着けたほうが当然よいわけで、もし現実世界にどこでもドアがあれば少なくともビジネストリップにおいてはどこでもドアでの移動が義務づけられるだろう。

だが、余暇としての旅行の移動にもどこでもドアを使うだろうか?気の置けない友人たちと、あるいは家族、恋人と旅行へでかけるとする。在来線に揺られて車窓の眺めを愉しみつつ途中の駅に面白い観光スポットがあることを知って途中下車。本来の目的にはなかったけれどもよい体験ができた、みたいな事ってあると思う。旅行の喩えで言えば、目的地に行くだけが楽しいわけではなく、その途上に出会うこと全てが楽しいし、寄り道する悦びもあるわけで、それはどこでもドアでは決して味わえないと思うのだ。

電子辞書:紙の辞書=amazon:本屋

とここまで書いてきて、電子辞書と紙の辞書の対比の構図がamazonと一般的な本屋の対比に似ているなと思いついた。amazonで本を買う時って、検索窓に本のタイトルや著者名を入れて直接商品のページに飛んで購入、と最短経路で目的に辿り着ける。一方本屋で本を買う時は、まずは該当するコーナー(文庫本コーナーとか、技術書コーナーとか)へ行って、著者名順とか分野順とかに並んでいる本の中から目的の一冊をみつけだす。その作業は確かに面倒くさいけど、その過程で全く別の本を手に取ったりすることもあるわけで、そういう機会を自分は楽しみたいと思う。

amazonだと、それまでの購入履歴とか他ユーザーの購買行動から他の商品をリコメンドしてくれる機能があって、ある程度はそこから世界が広がることもある。電子辞書にはこの機能がないから、オプションでつけてみたら案外楽しめるかもしれない。

未知の語との出逢いを与えてくれる「たほいや」

紙の辞書のもうひとつのメリットとして「たほいや」に使えると言うのがブコメでも挙げられていた。たほいやについては以前当ブログでも紹介したけれども、辞書を使って遊ぶゲームである。簡単に言えば辞書の中から未知の単語を探してきて、その語彙を皆で当てるというゲーム。

詳しくは是非こちらの記事を御一読ください↓

辞書と紙とペンがあれば(あとは一緒に遊ぶ仲間数人)手軽にできるので、是非一度ためして欲しい。自分は高校生時代にひたすらたほいやをプレイしていた時期があった。お蔭で無駄に語彙力が鍛えられたように思う。

さいごに

最初に書いた通り自分はアラフォーのオッサンだから、いわゆるdigital native世代ではない。生まれた時から電子辞書に触れてきた若者たちから見たら単なる老害のオッサンの戯言にしか聞こえないだろうけど、紙の辞書の物理的な実体にノスタルジアを感じてならない。紙の辞書には今後も残って欲しい。

では


辞書を編む (光文社新書)

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