簿記2級試験前夜〜当日の過ごし方、持ち物、会場、出題内容、感想戦などまとめ

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さて

2月25日の第148回簿記2級試験を受験してきました。自己採点では少なくとも90/100点は取れているので合格は固いと思っているのですが、3月5日の合格発表まではドヤ顔するのはやめておこうと思います。

今日は試験前夜から当日の過ごし方、会場の様子、試験の流れなどについて私の体験をシェアしたいと思います。

試験前夜の過ごし方

以前の記事に書きましたが、1月に入ってから毎朝4時に起きて2時間勉強するというスタイルを貫いてきました。自分は割と体力がある方だし、睡眠不足への耐性も高い方だと思っていましたが、こんな生活が2ヶ月も続くとさすがに睡眠負債が蓄積してきます。

試験直前の1週間は4時起きは諦めて、目覚ましをかけずにぐっすり寝たりして睡眠負債の解消に努めました。

そして試験前夜。

2月9日に開幕した平昌オリンピックでは、日本のカーリング女子代表が大活躍。試験前日の2月24日には3位決定戦の試合がありましたが、観たい気持ちをぐっとこらえて21時には就寝しました。

試験当日午前の復習が効果的だった

試験当日は朝7時に目覚めました。試験は午後1時半からなので、午前中は最後の復習に充てる事にして、自分の弱点をまとめたノート*1や滝澤ななみ先生の本を読んでいました。特に、今回の試験のヤマと見ていた連結会計の問題の解き方を滝澤先生の本で読んで確認していたので、第3問でまさに出題されてラッキーだったと思います。

ランチは低GI食品で午後の眠気を予防

自分は普段、ランチ直後の午後イチに眠気が猛烈な勢いで襲ってきてパフォーマンスが落ちることが多いのですが、肝心の簿記試験中にそのようなことがあっては困ります。

ランチ後の眠気の原因は、食後の高血糖によって分泌された大量のインスリンにより、逆に低血糖状態になることのようです。自分はランチでラーメン、うどん、丼物など炭水化物中心のメニューを好んで食べるので、食後に眠気が出るのも納得です。

食後のウトウト…何とかしたい! 眠気防ぐランチ術|NIKKEI STYLE

ランチ後の眠気を予防するために、血糖値が上昇しないような食事、すなわち低GI値食品とされている蕎麦を食べることにしました。GI値というのは簡単に言えば食べた後の血糖値の上昇具合を示す数値で、GI値が低ければ食後の血糖値の上昇も緩やかという意味です。

GIについて学ぼう|大塚製薬

蕎麦を食べたせいか、午後も眠気に襲われることなくフルパワーで試験に臨むことができました。


低GI値食品のソイジョイ。試験勉強中によく食べていました。

試験会場は地元の商業高校

私が受験した地区では受験申し込み時に希望の会場を選ぶことができたのですが、いくつかの候補の中でも家から一番近い地元の商業高校を会場として選びました。

久しぶりに高校という場所に足を踏み入れてちょっとドキドキしました。校舎入口では自分以外は制服姿の高校生しかいなくて(商業高校なので在校生が受験しているのだと思います)恐れおののいたのですが、試験会場の教室に入ると私服姿の成人ばかりだったので安心しました。高校生の受験生はおそらく他の部屋で試験を受けていたのだと思います。

高校生もすなる簿記2級試験といふもの

ところで、冒頭のツイートに対して超有名はてなブロガーのみるおかさん(@miru_oka87)がこのようなリプライをくれました。

意外と知られていないことですが、簿記2級試験は高校生が受ける試験です。

商工会議所のサイトにも、

「高校(商業高校)において修得を期待するレベル」

「大学の推薦入学に有利です」

との記載があります。

高校を受験会場に選んだ落とし穴その1:机が狭い

試験会場が高校だったので、使用した机・椅子も写真のようなザ・学校用机でした。ずっとリビングのダイニングテーブルいっぱいに教科書やノートを広げて勉強していたので、机の狭さに戸惑いました。

簿記試験では問題用紙、回答用紙、計算用紙を広げ、さらに筆記具、受験票と身分証明証、電卓を机の上に置かねばなりません。面積が足りるか若干不安でしたが、実際には特に問題ありませんでした。

この点に関しては普段使っている机とのサイズの差を、試験前の予想問題を解く際などに考慮しておいた方が良いと思います。

高校を受験会場に選んだ落とし穴その2:うるさい

先ほど述べたように今回の受験会場は地元の商業高校でした。試験開始までの時間帯、受験生たちは各々席についてテキストやノートを見ながら最後の復習に取り組んでいるわけですが、在校生と思しき受験生たちが隣の教室ではしゃいでいる声が、こちらの部屋まで響き渡ってきました。

自分はあまり気にならなかったのですが、気になる人は大いに気になると思います。

在校生がいるような会場、すなわち高校や資格試験学校を選ぶと、このようなデメリットに遭遇するかもしれないのでご一考ください。

簿記試験持ち物

受験票に記載されていた持参物のリストは以下の通りです。

  • この受験票
  • 身分証明書(氏名、生年月日、顔写真のいずれも確認できるもの。運転免許、写真賞、学生証など)
  • 筆記用具(HBまたはBの黒鉛筆、シャープペンシル、消しゴム)※ラインマーカーや定規等は持参できません。
  • 計算用具(計算機能のみのものに限る)

計算機については、プログラム機能や辞書機能のあるものは使用禁止です。ちなみに自分が使用したのはシャープのEL-N942Xという実務電卓です。流石にそろばんを持ち込んでいる人はいませんでしたね。

このほか、会場が高校の場合はスリッパを持参するように指示がありました。自分は試験前日にスリッパのことに気づいてことなきを得ましたが、会場にはスリッパなしで受験している人もいました。

当然のことですが試験中は携帯電話のスイッチをオフにして仕舞っておかないといけません。また通信機能のある腕時計(Apple watch等)も使用禁止です。

試験の流れ

受験票には試験開始時間13時30分とあったので、13時30分キッカリに試験が始まると思っていたのですがそうではありませんでした。

実際には13時25分頃に係員の方が問題用紙等を持って教室に入ってきました。注意事項のアナウンスの後、13時30分になると計算用紙、回答用紙、問題用紙が順に配布されました。

回答用紙には事前に名前を記入

驚いたのは、試験開始前に回答用紙に受験番号・氏名を書くように指示されたことです。回答用紙には受験番号・氏名を書く欄が全部で4カ所ありますが、名前が長い人、例えば藤本太郎喜左衛門将時能さん*2などは名前を書くだけで時間を浪費してしまうので、これはリーズナブルだなと思いました。

実はこの際、回答用紙の中がチラッと見えてしまいます。回答用紙に連結精算表が見えたので、直前に教科書の該当ページを読み込んでいた自分は心の中で(連結精算表キタコレ!)と叫んでいました。

氏名を書き終わると、製本された回答用紙の中央ミシン目を切るように指示されました。各問1枚ずつ回答用紙が出来上がります(第4,5問は合わせて1枚)。これは各問題ごとにまとめて採点をするためだと思います。

以上の準備が終わって、実際に試験が始まったのは13時38分頃でした。試験時間は2時間。

計算用紙のサイズ、使い方

簿記試験計算用紙の書き方
私の計算用紙(第4/5問)

自分が受験した会場で与えられた計算用紙はA4サイズでした。この用紙を中央で半分に折り、表裏の2面を合わせてA5サイズ x 4面の計算スペースとして利用しました。

計算用紙に連結会計のタイムラインや、工業簿記の原価計算ボックス図などを書いて答案を作成しました。問題によっては、問題用紙の余白に書き込んだりして答案を作成しました。

途中退出について

簿記試験では途中退席が認められていますが、その際は問題用紙を持ち帰ることはできません。試験開始から30分後以降、試験終了の10分前まで途中退出が可能です。

自分が受験した会場でも2名ほど途中で退席した方がいました。

自分は最後まで会場にとどまりました。

試験終了、答案回収

15時38分、係員の方の合図で2時間で試験終了です。

回答用紙を1枚ずつ、後ろの席の方から順に前に回していきます。全員分の用紙が回収されたことを係員が確認したら解散になりました。

なぜだかチャリがパンクして、帰り道が大変でした。

第148回試験問題のふりかえり

簿記2級試験問題の構成・出題傾向

簿記2級試験は、全部で5問の出題があります。このうち第1-3問が商業簿記、第4-5問が工業簿記です。配点は各問20点ずつ、合計100点で、70点を取れば合格という絶対評価方式のテストです。

出題傾向は以下の通りになっています。

問題 出題傾向
第1問 仕訳問題が5題、各4点
第2問 個別論点に関する問題や勘定記入の問題、伝票から仕訳日計表を作成する問題など
第3問 決算関係(精算表や財務諸表の作成など)、本支店会計など。平成29年度以降は連結会計も出題される可能性がある
第4問 費目計算や本社工場会計の仕訳問題、個別原価計算の勘定記入、部門別個別原価計算、製造原価報告書の作成など
第5問 主に総合原価計算、標準原価計算、直接原価計算から出題

事前に立てた作戦

勉強を進めていく中で、工業簿記に関してはだいぶ自信がついていました。第1問の仕訳問題は基礎問題ですし、1,4,5問を満点にすればその時点で60点確保、第2,3問については部分点が取れれば70点を超えられるという作戦です。

第148回の問題と感想戦

今回の試験では、

問題 出題
第1問 仕入割引、固定資産の除却処分、剰余金の振替、売上割引(引当金の処理)、外貨建取引と為替予約
第2問 有価証券の売買に関する総勘定元帳作成
第3問 連結会計の精算表作成
第4問 実際個別原価計算
第5問 組別総合原価計算

が出題されました*3

自分は当初の予定通り、

1>4>5>2>3

の順番に回答していきました。

回答しやすい問題から解いて勢いをつけて、最後に時間を残して大物の第3問に取り組むという作戦です。

第1問

2.の問題では勘定科目で「減価償却累計額」ではなく、「備品減価償却累計額」が与えられているところが引っ掛けポイントと思いました。
3.の剰余金の振替問題で、借方と貸方どっちがどっちか一瞬迷いました。

第4問

過去問集等で何度も解いたパターンの問題です。問題文をよく読まずに勘違いをして、問題(4)の完成品原価を答える問題で、本来加算する必要のない加工賃を含めて回答していました。見直しで気づいて修正することができました。

第5問

これも過去問集で何度も解いたパターンの問題。減損が工程の途中で発生した場合は完成品と仕掛品の両者負担で計算するというのがポイント。

第2問

会計期間が1月1日から12月31日というのが第一の落とし穴。売買目的有価証券の期末評価替えで、期中に売却した分を除いた20万円を元に計算するのがポイント。

第3問

第3問に到着した時点で試験開始から40分ほど。重量級の出題でしたが、たっぷり時間をかけて回答できました。土地売買の相殺消去に関しては、予想問題集などでも出題がなかったのですが、滝澤ななみ先生のスッキリシリーズに書いてあった解説を試験直前に読んでいたので回答できました。

第3問については解答欄を全て埋めることにこだわらず(そもそもどこまで埋めれば良いのかもよく分かりませんでした)、当初から途中点狙いだったので、最後に残した時間で見直しなどをしていました。

見直しの中で1問修正したので、4点リカバリーでした。

自己採点結果

問題用紙が持ち帰れるので、自分の回答をある程度書き込んでおきました。試験の翌日に、TACの解答速報に基づいて自己採点をしました。

第1問:20点
第2問:18点
第3問:12点
第4問:20点
第5問:20点
合計:90点

で、自己採点では合格点に到達しました。

3月5日の結果発表が待ち遠しいです。

さいごに

長文にも関わらず、最後まで読んでいただいてありがとうございました。実質2ヶ月という限られた準備期間で取り組むには、簿記2級試験は大物すぎでした。

試験直前の2週間くらいは本当に生きた心地がしなかったので、これから受験される方は十分に勉強期間をとって取り組まれることをお勧めします。

合格した暁には、「独学で簿記知識ゼロから2ヶ月で簿記2級試験に合格した私の勉強法」というタイトルの記事を書いてホッテントリ入りする予定ですので、どうぞよろしくお願いいたします。

では

*1:後日公開予定

*2:ふじもとたろうきざえもんのしょうときよし(http://plus.harenet.ne.jp/~kida/topcontents/news/2010/013101/index.htmlより)

*3:詳しくはTACの解答速報を参照ください