スイスフラン急騰が高級時計産業に及ぼす影響
さて
昨日投資クラスタ界隈を賑わした、スイスフラン急騰のニュース。
「まるでクリスマス」、スイスフラン高騰に歓喜するスイスの人々ただでさえ物価の高いスイス、観光産業には大打撃なのでは?
2015/01/17 07:08
スイス国立銀行(中央銀行)はこの日、3年にわたって維持してきた1ユーロ=1.20フランの対ユーロ上限を撤廃すると発表した。直後、スイスフランは30%近く上昇し、一時1ユーロ=0.8517フランを付けた。
スイスには旅行で2回行ったことがある。アルプスを臨む美しい国であるが、今も昔もとにかく物価が高い国と言う印象が第一にある。
スイスの物価をビッグマック指数で見ると
スイスの物価がどれだけ高いか。
各国の物価を比較する際によく引き合いに出される"BigMac Index"(世界各国のビッグマックの価格を比較したもの)で見ると、
順位 | 国名称 | 価格(円) |
---|---|---|
1位 | ノルウェー | 788 |
2位 | スイス | 693 |
3位 | ベネズエラ | 692 |
… | … | … |
35位 | 日本 | 370 |
スイスはノルウェーに次いで堂々2位。ビッグマックが1個700円近く、実に日本の倍近い価格だ。これがさらに30%上昇すると、実に900円!
数年前にスイスに旅行した時も、一回普通に昼飯食うだけで3−4000円は飛んでいっていたように記憶しているが、マックでさえ手が届かない値段になってしまう!
一方、日本はこのランキングで言うと35位で、実はそんなに物価が高くないのかなと思ったりもして。(ちなみにこの数字は2014年7月現在の数字なので、円安が進んだ今はまた違ったランキングになっているんだと思う。)
ところで自分は投資はしないし、スイスに旅行に行くことももう暫くないだろうから、スイスフランの高騰も対岸の火事と思っていたが、スイスと言えば、機械式腕時計の産地として世界的に有名。自分も、趣味と言うほどではないが、機械式時計が好きなので、その価格に及ぼす影響が気になってきた。
世界三大高級腕時計の代表モデルで見る
なんでも3つに絞るのは日本人の悪癖だと思うのだけど、世界三大高級時計として挙げられているのは、パテック・フィリップ、ヴァシュロン・コンスタンタン、オーデマ・ピゲの3ブランド。憧れるけど、どれも高すぎて買えません。
各ブランドの代表的モデルで、30%値上げした価格を比較してみた。ちなみに各時計の値段は、国内正規代理店のサイトで調べました。
Patek Philippe
パテック・フィリップ カラトラバ
294万8400円 > 383万2920円
Vacheron Constantin
ヴァシュロン・コンスタンタン オーヴァーシーズ・クロノグラフ
243万円 > 315万9000円
Audemat Piguet
オーデマ・ピゲ ロイヤル オーク
オートマティック
178万2000円 > 231万6600円
どれもこれも、元の値段が値段だけに、値上がり幅が半端ないですな。実際の国内流通価格に影響が出るまでにはタイムラグがあるだろうから、高級腕時計をお買い求めの計画がある方は急いだ方がいいかも。
一方その頃スウォッチは
スイスフラン急騰についてはこんな記事もあった
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NI87MD6KLVRY01.html
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NI87MD6KLVRY01.html
スウォッチのニック・ハイエック最高経営責任者(CEO)は「絶句している」と電子メールに記し、ぼうぜんとした様子。「今日の中銀の行動は、輸出業者と観光業界、そして最後にはスイス全体を襲う津波だ」と嘆いた。
スウォッチっていうと、1万円程度で買える廉価な時計ブランドのイメージだけど、今やブレゲ、ブランパン、オメガなどの高級腕時計メーカーを擁する一大コンツェルンなんだな。
実際株価も急落したみたいだし。
まとめ
もう一度言うけど、今後スイス製腕時計の価格改定があるだろうことは必至。高級腕時計をお買い求めの計画がある方は急いだ方がいいと思う。投資で失敗してそれどころじゃなくなった方もいるかもだけど。
では