スマホでメモを撮る若者について
さて
先日の事であるが、10歳以上年の離れた後輩に業務上の指示を出すために、自分の手帳に書いたメモを見せながら話をしていたのであるが、話が一通り終わるとその後輩君が
「ちょっとよろしいですか?」
と言って、スマホを取りだして僕の手帳の写真を撮ったのである。
iPhoneやEvernoteを活用している意識高い系アラフォーを自称するオッサンの自分であるが、これには驚いた。今どきの若者は手帳にメモする事をしないのかな。
映画「クリード」にて
先日観に行った映画、「クリード チャンプを継ぐ男」の中にこんなシーンがあった。
ボクシングのコーチをして欲しいと懇願してくるクリードの熱意に折れたロッキーが、紙にメモをしながらトレーニングメニューを説明する。説明が終わったところでクリードはスマホを取りだし、その紙の写真を撮るとロッキーの元を去ろうとする。
ロッキー:「この紙要らないのか?」
クリード:「携帯に入ってるから大丈夫」
ロッキー:「携帯落としたらどうするんだ?」
クリード:「クラウド(cloud)にあるから大丈夫だよ」
ロッキー:「雲(cloud)がどうしたって??」ト空を見上げる
という世代間ギャップをあぶり出す笑い話。
自分は若いつもりでいたけれどもいつの間にかロッキー寄りの世代になっていた事に驚きが隠せない。
スマホでメモを取るメリット/デメリット
スマホでメモを取る(撮る?)メリットを考えてみた
- 手軽である
- 写し間違いがない
- (物理的)スペースをとらない
- 検索性に優れる
- 半永久的にデータ保存可能
- データをクラウドにおけば、いつでも参照可能
等が挙げられるだろうか。
一方でデメリットを挙げるとすれば
- (手書きメモに比べて)記憶に定着しにくい
- (自分のような老害に)見咎められる事がある
これくらいかな
手帳に手書きメモをするメリット/デメリット
手書きメモのメリットを挙げるとすれば、
- 記憶に定着しやすい
- 指を動かす事で脳が刺激され創造性が増す(こじつけっぽい)
一方でデメリットを挙げるとすれば
- 面倒くさい、時間がかかる
- 記載ミスの可能性
- (物理的)スペースをとる
- 検索性にはおとる
- データ喪失のリスクは高い(水没被害など)
- 手帳が手元にないと参照不可能
こうしてそれぞれのメリット/デメリットを比較してみると、スマホのデジタルメモのほうが優れていると言う結論になりそうだ・・・
メモを取る意義
メモを取る第一の意義は、逆説的ではあるがメモした情報を忘れる事にあると思っている。メモする内容はもちろん重要な情報であるが故にメモされるわけだが、それがいつまでも脳内メモリを占拠していては創造的思考を阻害してしまう。
データを一旦外部メモリに移す事で、脳のワーキングメモリを思考のために解放してやる必要がある。
データは必要に応じて外部メモリを参照しに行けば良い。
この際問題になるのは、必要なデータが必要な時に参照できない事態であり、この点は検索性に優れるスマホメモに一日の長がある。
しかし、スマホでメモ代わりに写真を撮っていると、何を撮ったかと言う情報がおろそかにされがちなのではないか。さらに自分のように記憶障害気味の脳だと、データを写した事自体を忘れてしまいそうだ。逆に手書きの場合は手で書きながら目と手で情報が二重に入ってくるので記憶に定着しやすいと思っている。
記録するデータの種類によって使い分け
結局は、記録するデータの種類によって使い分ければ良いのではないかと思っている。例えば日常業務に必要で記憶しておくべき情報は、記憶に定着しやすい手書きメモが優れる。
一方で、必要時に参照すれば良いような情報、例えば時々利用するバスの時刻表などは、スマホの写真メモで充分だろう。
さいごに
スマホでメモを撮る若者に対して違和感を感じてしまった自分はもうオッサンなんだなぁと自覚させられちょっと辛かったのでこの記事は書かれた。
では