「ラ・ラ・ランド」観てきた。My lifetime bestの一作。
さて
先日の事であるが映画「ラ・ラ・ランド」を観てきたのでそのことについて語るとしよう。
自分は主演のエマ・ストーンとライアン・ゴズリングの大ファンと言うこともあって、公開前から大いに期待していた本作。早々にiTMSでサントラをダウンロードして毎日聞き込み、YouTubeの公式予告編を毎日観ては多幸感に浸るなどして公開を待ち望んでいた。
https://itunes.apple.com/jp/album/la-la-land-original-motion-picture-soundtrack/id1176092296?uo=4&at=11lQPS
予習も怠らず、エマ・ストーンとライアン・ゴズリングが初めて共演した映画「ラブ・アゲイン」を見返したり、あるいはまたデミアン・チャゼル監督のメジャーデビュー作にして彼を一躍スター監督に押し上げた傑作「セッション」を観たりと余念なかった。
どちらの作品も傑作だったけど、「ラ・ラ・ランド」を観る前に特に「セッション」の方は観ておくとデミアン・チャゼル監督のジャズに対する熱い思いがより良く分かるんじゃないかなと思った。
映画を観に行ったのは公開4日目の2月27日(月)だった。よく行く映画館が月曜日はメンズデイで男性は1100円で映画が観られるので、家計の事情で月曜日しか映画を観に行くことが許されないのだ。本当は公開初日に観に行きたかったのだけれども。
映画が始まる前に劇場の売店でパンフレットを買おうとしたら売り切れと言われた。また後日、観に行きがてら買うとしましょう。
当ブログの恒例で、まずは観賞直後のツイートを引用。
ラ・ラ・ランド観てきた。我が人生でベストの1本になる作品だと思う。多幸感に満ちた前半から、最後の10分間は涙が溢れ出て止まらなかった。唐突なケニー・Gディスには笑ったけど。 @ 新静岡 セノバ… https://t.co/riDrSpNsVU
— iGCN@はてなブログ (@iGCN) 2017年2月27日
自分は中学生のころから映画を見るのが好きでよく映画館に友人たちと足を運んではいろんな映画を観てきた。最近はめっきり映画館に行く回数が減ってしまったけども。
自分の中での映画生涯ベストランキングは長らく「羊たちの沈黙」と「落下の王国」が甲乙つけがたく1位タイで王座に君臨していたのだが、今回の「ラ・ラ・ランド」はそれら2作品を抑えてベストの1本となる作品だと思う。
本作は御存知の通りミュージカル映画である。ミュージカル映画というとそれまで普通に会話をしていた役者たちが唐突に唄って踊りはじめるのがどうにも苦手だと言う人も多いんじゃないか。自分もどちらかと言うとミュージカル映画には縁がなくて、振り返ると最後まで観賞したミュージカル映画は「ホワイト・クリスマス」とか「サウンド・オブ・ミュージック」とか「マイ・フェアレディ」とか「シカゴ」、「ドリームガールズ」くらいじゃないかな。ドリームガールズは良かったな。
最初からミュージカルと割り切ってみれば、役者たちが唄って踊り出すことに違和感はないし、そもそも自分は主演の二人の大ファンなので、彼らの姿を銀幕上に観るだけで幸せな気分に浸ることが出来た。繰り返し聞き込んだ楽曲も全てが素晴らしかったし、特に冒頭のハイウェイでの群舞シーンは最高だった。ダンスシーンではダンサーの衣装が原色を基調としていて、見た目にも華やかだ。
オープニングの群舞シーンから自分は画面に引き込まれ、YouTubeの予告編を観た時に感じた多幸感が希釈されることなく持続して、映画を観ながらずっと微笑みが絶えることがなかった。特に主演の二人がグリフィス天文台を訪れるシーンの美しさと言ったら!宙を舞う二人の姿にいい年こいたオッサンがうっかりうっとりしてしまった。
多幸感に満ちたストーリーから一転、最後の10分間にありったけの涙を搾り取るデミアン・チャゼルの作劇は見事と言うしかない。実際劇場内でもそこかしこからすすり泣きの音が聞こえてきた。
自分は最近アラがとれたフォーのオッサンだけれども、本作に関して言えば自分くらい以上のある程度酸いも甘いも踏み分けてきたような世代にこそ心を打つものがあるんじゃないだろうか。人生長く生きていれば、誰しもああしておけば良かった、こうしておけば良かったと言う後悔のひとつや二つがあることだろう。もしあの時こうしておけば、こんな人生があったかもしれない、そんな妄想に浸ったこともあるだろう。そんな、あり得たかもしれないもう一つの人生を垣間見させて、遠い昔に置いてきた夢や希望をえぐり出して見せてくれる。流涙を禁じえない。
本作が公開されてもう2週間になんなんとする。このレビューを書くのに手間取ってしまい、あまり他の人たちの感想記事は読んでいないけど、本作を批判する声が多々上がっていると聞いて驚いている。菊地成孔氏のはいつものことで置いておくとしても。
あらゆる創造物は観賞され消費され、評価されるわけで、そこに鑑賞者の好き嫌いがあるのは否定しようがないけれども、少なくとも自分は本作を貶す人とはお友達にはなれそうにない。
近々また是非観に行きたいと思う。
では